下請取引から脱却した中小企業に学ぶ、経営革新計画のつくり方

売上減少を「業界のせい」で終わらせない

市場縮小やデジタル化によって、従来の受注が減っている。多くの中小企業が直面する課題です。

ある伝票印刷会社も、かつては印刷会社やシステム会社からの下請取引が中心でした。売上高はピーク時の2億円から大きく減少し、価格競争によって利益率も低下。ついには債務超過に陥りました。生産工程の改善だけでは、構造的な問題を解決できない状態だったのです。

そこで同社は、顧客の「自分で印刷するための白紙の用紙が欲しい」という声に着目しました。従来は顧客ごとの仕様に合わせて伝票を印刷する受注生産でしたが、新事業では自社で用途を想定した用紙を企画し、計画生産してインターネットで直接販売しました。

これは単なる新商品の追加ではありません。「オーダーメイド・個別生産・下請販売」から「自社企画・計画生産・直接販売」へ、ビジネスモデルそのものを転換したのです。

イノベーションを成功させた5つの要因

第一は、顧客の困り事を起点にしたことです。経営者の思いつきではなく、実際の要望から需要の仮説を立てました。

第二は、自社の設備と加工技術を新しい用途へ転用したことです。まったく未知の分野へ進むのではなく、既存の強みを生かしたため、小さく始めることができました。

第三は、販売方法を変えたことです。ネット直販によって顧客との接点を自社で持ち、下請構造から脱却しました。当初の受注はわずかでしたが、広告、検索キーワード、商品構成を改善しながら販売ノウハウを蓄積しました。

第四は、顧客の声を聞き続けたことです。売りたい商品ではなく、要望の多い商品から順に品ぞろえを増やし、競合との差別化につなげました。

第五は、経営革新計画を策定し、3年後の目標と実行施策を明確にしたことです。年度ごとに進捗を振り返り、PDCAを回す事業マネジメント力が成長を支えました。需要拡大後には、生産能力を補うためのM&Aと設備投資にも踏み切っています。

経営革新計画は、成長の設計図

経営革新計画で重要なのは、補助金や制度利用のために書類を整えることではありません。次の5点を一つの筋道としてつなぐことです。

  1. 既存事業が伸び悩む構造的な原因
  2. 顧客が抱える未解決の課題
  3. 自社の強みを生かした新商品・新サービス
  4. 誰に、どのように売り、どう利益を生むか
  5. 売上・利益・資金・設備・人員を含む実行計画

計画には、売上目標だけでなく、顧客数、客単価、リピート率、粗利益率、生産能力などのKPIを置く必要があります。さらに、仮説検証の期限と撤退・追加投資の判断基準を定めれば、計画が「実行できる経営」に変わります。

ビジネスデザイン・パートナーズの経営革新計画策定支援

ビジネスデザイン・パートナーズは、認定経営革新等支援機関として、現状分析、顧客ニーズの整理、ビジネスモデルの再設計、数値計画、資金調達、実行後のモニタリングまで一貫して支援します。

「下請依存から抜け出したい」「新商品はあるが売り方が見えない」「アイデアを利益の出る計画に落とし込めない」とお悩みなら、計画づくりを始める好機です。

経営革新は、特別な技術からだけ生まれるものではありません。顧客の小さな声と自社の強みを組み合わせ、事業の仕組みを変えることから始まります。自社の次の成長の柱を、実行可能な経営革新計画にしてみませんか。

ご相談は、ビジネスデザイン・パートナーズまでお気軽にお問い合わせください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました