儲かる会社は「商品」ではなく「仕組み」をつくる

――8つの基本モデルから考える「儲かるビジネスモデル」

「いい商品をつくれば売れる」「売上を増やせば利益も増える」。

しかし現実には、売上が伸びても利益が残らない会社がある一方、それほど売上規模が大きくなくても、安定して利益とキャッシュを生み続ける会社があります。

その違いは、商品力だけではありません。重要なのは、「どうやって儲けるか」という仕組みそのものです。

板橋悟氏の『ビジネスモデルを見える化する ピクト図解』は、ビジネスを「ヒト・モノ・カネ」の流れとして可視化し、その儲けの構造を見抜く方法を提示しています。

「ビジネスモデル」と「収益モデル」は同じではない

まず押さえておきたいのが、ビジネスモデルと収益モデルの違いです。

本書では、ビジネスモデルを事業全体の構造、つまり、

誰が関わり、誰に、どのような商品・サービスを提供し、どのような関係で事業が成り立っているか

を表すものとして捉えています。

一方、収益モデルは、その中でも特に、

「誰から、どのようにお金を得るのか」

というカネの流れに焦点を当てたものです。

本書では、ピクト図解から商品・サービスの流れを消し、カネの流れだけを見ることで、収益の柱を把握しやすくなると説明しています。つまり、収益モデルはビジネスモデルの一部と考えると分かりやすいでしょう。

経営者にとって重要なのは、単に「事業がどう回っているか」を見るだけではありません。

その構造の中で、実際にどこから利益が生まれているのかまで見ることです。

8つの基本ビジネスモデルで自社を分解する

本書では、複雑に見えるビジネスも、まず8つの代表的な基本モデルとして整理できるとしています。

  1. シンプル物販モデル
    商品・サービスを提供し、顧客からその対価を得る基本モデル。
  2. 小売モデル
    商品を仕入れ、販売価格との差額で利益を得るモデル。
  3. 広告モデル
    利用者とは別の広告主から収益を得るモデル。
  4. 合計モデル
    複数の商品・サービスをまとめて販売し、客単価や収益を高めるモデル。
  5. 二次利用モデル
    一度つくった商品・コンテンツ・技術を別用途や別市場で再活用するモデル。
  6. 消耗品モデル
    本体販売後に、消耗品やメンテナンスで継続収益を得るモデル。
  7. 継続モデル
    商品・サービスを定期的、継続的に利用してもらうモデル。
  8. マッチングモデル
    売り手と買い手などを仲介し、手数料等を得るモデル。

実際のビジネスは「どれか」または「組み合わせ」

世の中には無数のビジネスがあるように見えますが、構造を分解すると、多くはこの8つのどれか、あるいはいくつかを組み合わせたものとして捉えられます。

例えば機械メーカーなら、単純に機械を販売するだけなら「シンプル物販モデル」です。

しかし、

機械販売+消耗品販売+保守契約

にすれば、

シンプル物販+消耗品+継続

という複合モデルになります。

さらに販売代理店の紹介や施工業者との仲介まで行えば、「マッチングモデル」も加わります。

ここに重要な経営上のヒントがあります。

新しいビジネスモデルをつくるとは、ゼロからまったく新しい商売を発明することではない。既存の基本モデルを、自社に合う形で組み替えることでもあるのです。

ビジネスモデルが良くても、収益モデルが弱ければ儲からない

ここでさらに一歩踏み込みたいところです。

顧客価値が高く、取引先との関係も良く、事業として魅力的でも、「どこから利益を取るか」が弱ければ儲かりません。

例えば利用者をたくさん集めても、課金手段がなければ収益にはつながりません。

逆に広告モデルのように、サービス利用者とは別の主体からお金を得ることで、ユーザーには安価または無料で提供しながら事業を成立させることもできます。

つまり経営者は、

ビジネスモデル=価値提供の仕組み

だけでなく、

収益モデル=利益回収の仕組み

までセットで設計する必要があるのです。

「一度売って終わり」から抜け出す

中小企業で特に見直したいのが、一回限りの売上への依存です。

例えば、

製品販売 → 消耗品・保守
工事 → 定期点検・設備管理
食品販売 → 定期購入
コンサルティング → 月額顧問
技術提供 → ライセンス収入

へ広げる。

これだけでも、収益モデルは大きく変わります。

一度売って終わるフロー型収益に、継続課金や消耗品収入を組み合わせることで、売上の安定性、利益率、資金繰り、さらには企業価値の改善につながります。

経営者は「商品を売る人」から「仕組みを設計する人」へ

ビジネスデザイン・パートナーズが考える「儲かるビジネスモデル」とは、単なる売上拡大策ではありません。

顧客に価値を提供するビジネスモデルと、利益・キャッシュを生み出す収益モデルを一体で設計することです。

そのためには、

「当社はどの基本モデルなのか」
「複数モデルを組み合わせられないか」
「誰に価値を提供しているのか」
「実際には誰からお金をもらっているのか」
「一回売りを継続収益に変えられないか」

と問い直す必要があります。

商品を磨くだけの経営から、価値提供と収益化の仕組みそのものを磨く経営へ。

ビジネスデザイン・パートナーズでは、事業分析、収益構造分析、事業別採算管理、新規事業、M&A、財務戦略を含め、「儲かるビジネスモデル」への転換を伴走支援しています。

自社のビジネスモデルと収益モデルを見える化し、利益とキャッシュが残る会社へ変えていきたい経営者の方は、ぜひご相談ください。

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