これまで中小企業の資金調達では、「銀行から借りられるか」が重要なテーマでした。しかし、これからは違います。
問われるのは、**「借りた資金を、何に使い、どのように利益を生み、何を原資に返済するのか」**です。
低金利と手厚い資金繰り支援の時代から、金利負担と元本返済を明確に意識する時代へ移りつつあります。これから金融機関は、企業の収益力、資金使途、返済可能性、事業の将来性をこれまで以上に重視します。
黒字でも会社は資金ショートする
経営者が注意すべきなのは、「利益が出ているから資金繰りも大丈夫」という思い込みです。売上が増えても、売掛金の回収が遅れたり、在庫が積み上がったりすれば、現金は減ります。つまり、利益とキャッシュは別物です。
さらに危険なのは、資金不足の原因を特定しないまま借入を繰り返すことです。不採算事業や低採算取引を放置し、その赤字を借入で埋めている会社は、問題を先送りしているにすぎません。
資金繰りは「3つ」に分けて管理する
私が経営者に勧めているのは、資金繰りを次の3区分で管理することです。
- 経常収支
売上回収、仕入、給与、外注費、税金など - 設備収支
設備投資、店舗改装、システム投資など - 財務収支
借入、元本返済、増資、配当など
最低6か月、できれば1〜2年先まで見通し、毎月「計画と実績の差」を確認します。
重要なのは、資金使途・調達期間・返済原資を一致させることです。長期設備を短期借入だけで賄えば、投資回収前に返済が始まります。資金に「色」をつけて管理することが、どんぶり勘定を防ぎます。
強い会社をつくる「3つの管理基盤」
金利のある時代に必要なのは、借金をしない会社ではありません。
正しく借り、投資効果を管理し、正しく返せる会社です。
そのためには、
- 資金繰り管理
- 部門別・商品別・顧客別の採算管理
- 投資額・回収期間・KPI・撤退基準を決める投資管理
この3つが必要です。
これらを整えることは、日々の経営だけでなく、事業承継やM&Aにも直結します。買い手や後継者が評価するのは、「社長の頭の中だけで回っている会社」ではなく、数字と仕組みで引き継げる会社だからです。
軍師からの一言
資金調達は財務テクニックではありません。経営そのものです。
金融機関にどう説明するか以前に、経営者自身が「自社の未来を数字で語れるか」が問われます。
金利上昇は確かに逆風です。しかし、資金繰り・採算・投資を数字で管理できる会社にとっては、競合との差を広げる好機でもあります。
ビジネスデザイン・パートナーズでは、資金繰り計画、事業別採算管理、金融機関向け事業計画、社外CFO支援、事業承継・M&Aを見据えた財務整備まで、経営と財務を一体で伴走支援しています。


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