経営参謀からの助言
経営計画は成果を生んでいますか?
経営計画が正しく機能すると、会社は変わります。
社長の勘と経験だけで走る経営から、数字と行動で勝ち筋をつくる経営へ変わります。売上、利益、資金繰り、人材、投資判断が一本の線でつながり、社員も「何をすれば会社に貢献できるのか」が見えるようになります。
一方で、多くの中小企業では、経営計画が成果を生んでいません。
計画書はある。売上目標もある。会議もしている。ところが、利益は残らず、資金繰りは不安定で、社員は他人事。これでは経営計画ではなく、単なる“願望表”です。
経営計画は、作ることが目的ではありません。
好業績を実現するために、経営を動かす道具にしなければなりません。
経営計画は「目標利益」から逆算する
経営計画で最初に決めるべきは、売上ではありません。
「いくら利益を残すか」です。
会社を継続させるには、役員報酬、借入金返済、設備投資、人材採用、賞与、内部留保が必要です。これらを考えずに「売上を伸ばそう」と言っても、経営は強くなりません。
成功する会社は、目標利益から逆算します。
必要な営業利益はいくらか。そのために必要な粗利益はいくらか。粗利益を確保するには、どの商品を、誰に、いくらで、どれだけ売るべきか。ここまで落とし込むから、計画が経営判断になります。
失敗する会社は、前年対比だけで考えます。
「去年より売上10%増」という計画は、一見わかりやすい。しかし、その売上で本当に利益が残るのか、資金は回るのか、現場が実行できるのかが見えていなければ危険です。
欲しいのは売上ではありません。
最後に会社に残る利益です。経営計画は、目標利益から始めるべきです。
管理会計がなければ、経営は勘頼みになる
税務申告のための会計だけでは、経営は見えません。
会社を良くするには、どの部門で利益が出ているのか、どの商品が儲かっているのか、どの顧客が赤字を生んでいるのかを把握する必要があります。固定費・変動費・売上の関係から、黒字と赤字の境目を数字で見える化し、目標やコスト改善を考える損益分岐点分析による管理会計が必要です。
管理会計がない会社では、社長の感覚だけが頼りになります。
「売れているから良い取引だ」と思っていた顧客が、実は値引きと手間で利益を食っている。売上が大きい商品ほど、粗利が薄く、在庫負担が重い。こうした事実は、管理会計を整えなければ見えません。
成功する会社は、売上ではなく変動費や固定費、プラスの営業利益を確保できる損益分岐点売上高を見ます。
案件別、顧客別、商品別、部門別に利益を確認し、儲かる仕事に経営資源を集中します。
失敗する会社は、売上高だけで安心します。
売上が増えていて忙しいのに利益が残らない。これは管理会計不在の典型です。
経営の怖さは、赤字が見えた時には手遅れになっていることです。
管理会計は、経営危機を早期に察知するレーダーです。
計画は部門別・担当者別・月別に落とし込む
全社目標だけでは、現場は動けません。
「売上1億円を達成する」と言われても、社員は明日何をすればよいのかわかりません。
成功する会社は、計画を部門別・担当者別・月別に落とし込みます。
営業は何件訪問し、何件提案し、何件受注するのか。製造はどの原価を改善するのか。管理部門はどの業務を効率化し、資金繰りをどう安定させるのか。ここまで決めるから、計画が行動になります。
また、結果指標(KGI)だけでなく、先行指標を管理します。
売上、利益だけでなく、商談件数、受注率、粗利率、在庫回転率、回収期間、人件費率などのKPIを見ます。結果が悪くなってから慌てるのではなく、結果が悪くなる前に手を打つのです。
失敗する会社は、計画を社長の頭の中に置いたままです。
社員には目標だけが降りてくる。しかし、役割も期限も判断基準も曖昧。これでは、現場は動けません。
計画とは、社員を縛るものではありません。
社員が迷わず動けるようにする地図です。
実行体制とルールを決める
経営計画は、責任者を決めなければ動きません。
誰が、いつまでに、何を、どの基準で実行するのか。これを決めて初めて、計画は現実になります。
成功する会社は、実行体制が明確です。
施策ごとに責任者を置き、期限を決め、報告方法を決め、未達時の対応ルールを決めています。会議では、感想ではなく数字を確認し、言い訳ではなく次の打ち手を決めます。
例えば、売上未達なら、商談件数、受注率、客単価、失注理由を見る。粗利未達なら、値引き、原価、外注費、歩留まりを見る。資金繰り悪化なら、回収遅延、在庫増加、支払条件を見る。
数字が悪い時に、どこを点検するかを事前に決めておくことが重要です。
失敗する会社は、会議で報告だけをしています。
「頑張ります」「検討します」「様子を見ます」で終わる会議は、経営を前に進めません。
経営計画に必要なのは、精神論ではありません。
実行責任と判断ルールです。
仕組み化しなければ継続しない
社長の気合いだけでは、実行管理は続きません。
仕組みにしなければ、忙しさに流され、いつの間にか計画は棚に置かれます。
成功する会社は、実行管理を仕組みにしています。
月次試算表を早期に作る。管理会計資料を定型化する。KPI一覧表を作る。アクションプラン表で担当者と期限を管理する。会議で決定事項を記録し、次回会議で実行結果を確認する。
仕組みがあれば、社長が毎回細かく指示しなくても組織が動きます。
社員も、自分の責任範囲と進捗が見えるため、行動しやすくなります。
失敗する会社は、仕組みではなく人に依存します。
できる社員だけに仕事が集中し、社長がすべてを見ないと回らない。これでは会社は大きくなりません。
経営計画は、会社を社長個人の馬力から卒業させるための仕組みです。
PDCAを回し、計画を修正する
経営計画は、一度作ったら終わりではありません。
市場環境、顧客動向、原価、人件費、金利、資金繰りは常に変わります。
成功する会社は、毎月PDCAを回します。
計画と実績を比較し、差異を分析し、原因を見つけ、次の一手を決める。重要なのは、未達を責めることではありません。早く異常に気づき、早く修正することです。
失敗する会社は、年に一度しか計画を見ません。
決算が終わってから「思ったより利益が出ていない」と気づく。これでは遅いのです。
経営は、早く気づいた会社が勝ちます。
PDCAは、経営を軌道修正するための操縦桿です。
まとめ
経営計画が機能すれば、会社の未来は変わります。
利益が見える。資金繰りが読める。社員が動く。会議が変わる。社長が先を見て意思決定できる。これが、経営計画がもたらす理想の未来です。
しかし、計画が売上目標だけで終わり、管理会計がなく、担当者も期限も曖昧で、PDCAも回らないなら、経営計画は成果を生みません。むしろ、作っただけで安心する危険な資料になります。
好業績を実現したいなら、経営計画を「作る」だけでは足りません。
目標利益から逆算し、管理会計で実態を見える化し、部門別・担当者別に落とし込み、実行体制とルールを整え、仕組みとして継続し、毎月PDCAを回す。ここまでやって初めて、経営計画は会社を強くします。
ビジネスデザイン・パートナーズは、経営計画の策定、管理会計の整備、目標利益からの逆算、実行体制づくり、月次PDCAまで、経営参謀として伴走支援します。
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